アジア 代表チーム

ハリル・ジャパンに欠けるもの。ハイチ選手が明かした日本代表のW杯への課題

 60分を前に井手口陽介と香川真司の投入はあったが、日本代表はすぐに試合の流れを取り戻すことはできなかった。その結果、次の得点を奪ったのもハイチで、左から中央へカットインしたナゾンがプレッシャーを全く受けることなく、ゴールから25ヤード離れた位置から美しいゴールを決めた。

「私はクラブでも何度もこういったゴールを決めようとトライしていた。考えすぎず、ただボールに触れるだけだ。私はどこにボールを蹴りたいのか分かっている」

 こういった危険なエリアでプレッシャーがなければ、どういった結果が待ち受けているのかということと、それが日本代表の守備における弱点だということを23歳のハイチ人選手は証明した。

「私は驚かなかった。前半から私は前向きのプレーをしようと心がけていたし、ハーフタイム中も『何度か中央へ切り込もうとチャレンジすることで、シュートチャンスが訪れるかもしれない』と頭の中で考えていた。それが結果的に形になった」

「それはあっという間の出来事だった。何かを思いついた時、素早く実行しなければならない。1分や2分といった時間を費やす必要などない。素早くだ。それを私は実行し、見事な結果を手にした」

 そういった思い切ったプレーが日本代表には欠けていたとナゾンは感じたようだ。

「彼らは常に同じことをしようとしていたが、時には考える必要などないのだ。ボールを持ち、何かしようとすることでうまくいくこともあるのだ。とはいえ、彼らは戦術に従ってプレーしていたようでもあった。うまく言葉で表現できないが、彼らは一つ一つのプレーに対して決められたルールに忠実に従い、プレーしていたようだった。そういった規律に縛られないような選手も彼らには必要だと感じた。フットボールとはそういうものなのだ」

 最終的に終了間際の香川真司のゴールで同点に追いつくことができた日本代表はラッキーだったかもしれないが、ワールドカップ本大会に挑む上で、彼らの攻撃において「思い切ったプレー」、一方で守備の面ではそういったプレーに対応する能力が求められるだろう。11月のブラジルとベルギーとの親善試合ではそういった点に注目したい。

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