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ユベントスとナポリはセリエAの“レアルとバルサ”なのか。セリエAをイタリア人識者2名が徹底討論【カルチョ・エ・ペペ】

パウロ・ディバラを発見した存在

ユベントスのパウロ・ディバラ 写真提供:Getty Images

C:ユベントスといえば、絶好調のパウロ・ディバラに触れないわけにはいかない。

M:ディバラは素晴らしい選手だ。パレルモのマウリツィオ・ザンパリーニ元会長を褒めなければいけないね。彼は、まだパレルモでプレーしていたディバラについて「この選手は1億ユーロ(約132億円)の価値がある」と語っていたけど、その通りだった。おそらく今の価格はもっと高いかもしれない。ディバラの活躍は想定外ではなかったと思うけど、6試合に10ゴールを決めるとは誰も考えていなかった。おそらく彼は今、精神的にも身体的にも最高の時期を過ごしてると思う。さすがビッグクラブの選手だ。本当かどうかわからないが、マンチェスター・ユナイテッドは彼を移籍金1億5500万ポンド(約234億円)で買いたがっていると報じられている。本当でも驚くことはないね。本当にザンパリーニ会長を褒めないといけないと思う。ディバラという傑作を発見したのは彼だ。しかも、ディバラを移籍金4000万ユーロ(約53億円)でユベントスに放出した時に「損をした」と考えていた。ユベントスがあれほどの大金を出したことに懐疑的な人も多かったけれど、今となっては彼が正しかったことが完璧に証明されている。

C:そうだったね。そして、ディバラがパレルモでプレーしていた時にベロッティのチームメイトだったことも面白い。僕はユベントスに大好きな選手がもう一人いる。ミラレム・ピアニッチだ。トリノダービーでは100回のパスをして、成功率は96.6%、2回のアシスト、ゴールを1点。まさに“ヤバい試合=Partita della madonna”だった! ピアニッチをアンドレア・ピルロやアンドレス・イニエスタと比較している人がいたり、ディバラをメッシと比べる人も多い。比較するべきかどうかよくわからないけれど、ピアニッチは世界で最も優れたミッドフィルダーになりつつあると思う。昨季のピアニッチは体がもっと細くて軽かった。そして、90分間を通してプレーすることができず、いつも途中交代だった。しかし、今季は体力的にも大きく成長したと思う。おそらくプレシーズンのトレーニングで努力したんだろう。

M:少しデ・シリオについて話したいと思う。個人的には、僕がなぜアッレグリ監督が彼を欲しがったのか全然理解ができない。ユベントスはCLに出ているクラブだ。デ・シリオはこのレベルの戦いにふさわしいとは思わないね。ミラン時代にも欠点をみせていた。1200万ユーロ(約16億円)で獲得したが、よい補強じゃなかったね。

C:今は1200万ユーロの控え選手になっているね。

M:そうだね。ただアッレグリ監督は本当にデ・シリオを欲しがっていたから、彼にとってデシリオは控え選手ではなく、先発だと思っている。しかし、今は負傷しているからプレーしていない。それに個人的にはCLの準決勝や決勝とかに出られる選手だとは思わないね。ピアニッチについては、昨季はユベントスに慣れる時間が必要だった。よいプレーはみせていたけど、素晴らしいわけではなかった。今年は非常に成長して、体力的にも強くなった。レジスタのプレーをみせていて、新加入のブレーズ・マテュイディのおかげで、自分のプレーができるようになった。マテュイディは普通の選手より2倍は走っているし、ピアニッチにとって余計なプレーは彼が全部するからね。ピルロと比較することは意味がないけど、本当に素晴らしい選手になりつつある。

C:ピルロも34歳になるまで成長し続けていたよね! おそらく、これはピルロの素晴らしい能力の一つだった。おそらくピアニッチも同じようになるのかな? この2人の選手の共通点といえば、2人ともあまり走らない選手に見えるけど、試合のスタッツをみると最も走行距離が長い選手であることに気づくね!

M:そうだね。ピアニッチはCLの準決勝と決勝を通して、精神的にも大きく成長していると思うよ! 大切な大会で敗北しても、次のシーズンに改めてゼロからスタートする。そして、またも素晴らしいプレーができるなんて、とても重要で優れたメンタリティだと思う。このクオリティーはビッグクラブの選手らしいものだね。ピアニッチも徐々に最高のレベルに近づいている。

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