Jリーグ アルビレックス新潟

レアンドロという覚醒めた怪物。大岩監督のもと覚醒したストライカーが鹿島を優勝に導く

レアンドロという覚醒めた怪物

著者:チアゴ・ボンテンポ
1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。
Twitter: @GunnerTNB

 川崎フロンターレ、柏レイソル、セレッソ大阪、横浜Fマリノスに、数十分の間、Jリーグ優勝争いを再び繰り広げる期待がもたらされた。首位の鹿島アントラーズが最下位のアルビレックス新潟とデンカビッグスワンスタジアムで対戦し、前半2-0でリードされたのである。

 日本では最下位チームが首位チームを下すことはまれな出来事ではない。今年すでに第9節で起こっている。浦和レッズがシーズン最高の瞬間にあり、大宮アルディージャがまだ勝ちのなかった時の対戦である。

 しかしながら、このような日本サッカーでは典型的な出来事も鹿島には通用しないようだ。結局は鹿島の「チャンピオンの風格」がまたしても勝利を得た。新潟は3点決めようと4点決めようと勝点を獲得して試合を終わらせることはできないという印象を与えた。新潟に逃げ道はない。ここ14試合で勝ちがなく、もう手の打ちようがない状況に近づいている。

 呂比須ワグナー監督率いる新潟は、前半とても正確なプレーをみせた。相手のミスを有効活用し、ドウグラス・タンキとホニがカウンターで2得点を挙げた。45分間に2シュート、2ゴールである。しかし後半、彼らはプレッシャーに耐えられなくなり、2チーム間の差が明らかになっていった。鹿島のレアンドロが後半4分にヘディングシュート、後半22分に左足でシュート、後半36分に再び左足でシュートを決める。さらに金崎夢生が、後半44分にペナルティーエリアから冷静に最後の得点を決めた。大岩剛監督によるハーフタイムの調整後、自然に起こった連続ゴールであった。

 鹿島GK曽ヶ端準には、後半ほとんどやるべきことがなかった。新潟は守備に集中しすぎており、彼らのメイン武器であるカウンターアタックを出せずに終わった。カウンターを仕掛けるスペースがなかったわけではない。選手達は後半には疲れてしまったようで、鹿島に2ゴール目、3ゴール目を許した後にさえ反撃のサインを見せることはできなかった。脅威はなく、まるで10人でプレーしているかのようであった。

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