Jリーグ ガンバ大阪

G大阪は今季を諦めたのか。5年間の“長谷川”黄金時代終焉に感じる退任発表の是非

G大阪は今シーズンを諦めたのか

著者:チアゴ・ボンテンポ
1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。
Twitter: @GunnerTNB

 ガンバ大阪で5年の体制が終わろうとしている。先週木曜、同クラブは長谷川健太監督の来期の契約を更新しないことを発表した。同監督は2013年の就任以来6つのタイトルを獲得してきたが、2017年期待外れのここまでの結果から、現在2年連続の無冠に向かっているところだ。しかしながらこのタイミングでの発表は、まるでG大阪がJリーグ今シーズンを諦めているかのように受け取れる。先週土曜のホーム戦で現在11位に留まるヴィッセル神戸に敗北すると、その傾向は強まった。相手の神戸は7戦連続勝ちがなく、当のG大阪に敗北してJリーグカップ敗退となったばかりであった。

 実際この阪神ダービー敗北の後、G大阪にタイトル獲得の現実的なチャンスはもうなくなっている。現在G大阪は勝点39で7位に位置しており、先週末にさらなる勝点3を加えて悠々と頂点に居続ける鹿島アントラーズ(勝点55)からは16点の差がついた。一方で川崎フロンターレ(49)柏レイソル(49)セレッソ大阪(48)はそれぞれ勝利し、鹿狩りを継続しようとしている。G大阪にはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場さえ現時点で見込みがなく、現在の体制が続かないことを誰もが認識した今、チームの士気が上がる様子はない。最も自然なのは、できるだけ早く来シーズンに向けた体制を整えるために今すぐ監督を変えることだろう。もしくは今年の終わりまで現在の指揮官を信頼し続けるなら、その後にはじめて退任の発表がされるべきではないか。

 たしかにビッグクラブはトロフィーに基づいて生き、タイトルを競えない時には新しい監督を求めるものだ。長谷川監督には、チームの不安定なパフォーマンスや疑問の残る試合管理など様々な欠点があった。大阪ダービーで壮大な勝利を飾りつつ、翌週にヴァンフォーレ甲府に敗北した原因は何か? その甲府戦の時に見られたように、勝たなければならない試合でストライカーを外してサイドバック2人にするための交替を用いる意味は何か? ACLのアデレード・ユナイテッド、江蘇蘇寧足球倶楽部(ともにそれぞれのリーグで下位)や済州ユナイテッドなど含む充分に勝算のあったグループステージで、ホームで1勝もできず最下位敗退となった悪夢を忘れる方法は何か?

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