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関根貴大は「ドワーフ」。“未知の若手”加入に様子見の独メディア…ドイツ2部で飛躍できるか

関根がドイツで成功するために必要なもの

 筆者は、関根のスピードとテクニックは得点不足に悩むインゴルシュタットの攻撃の助けとなり得ると考えている。ブンデス1部昇格候補の彼らは新シーズン開幕後、ウニオン・ベルリン戦0-1、ザントハウゼン戦も同じく0-1と未だ得点もないまま、ブンデス2部の最下位に沈んでいる。

 注目すべきは関根がどれだけ早く新しい環境に慣れ、ドイツ語を話せるようになるかという点である。彼はおそらくこれまでドイツでプレーした先輩たちからのアドバイスを受けているに違いない。中でも浦和でのつながりのある原口元気がカギとなるかもしれないが、インゴルシュタットと、原口の前所属のヘルタ・ベルリンの本拠地ベルリンとは500キロも離れている。

 関根は新たな清武弘嗣、岡崎慎司、香川真司になれるのだろうか。もしくは、2度目のブンデス挑戦でも苦しんでいる宇佐美貴史(アウクスブルク所属)のようになってしまうのだろうか。その結果は時間の経過とともに明らかになるだろう。

 だが、筆者は、関根はステップアップのために良い場所を選んだと思っている。J1からブンデス2部への移籍はステップダウンのように思われるかもしれないが、ブンデス2部はヨーロッパの中でもトップクラスだと考えられており、野心のある小さなクラブであるだけに彼が選手として成長を遂げるためのベストチャンスを得ることもでき、ドイツという国にも慣れることができる。インゴルシュタットでレギュラーの座を勝ち取ることができれば、大迫勇也がブンデス2部の1860ミュンヘンで活躍し、現在ケルンで欠かすことのできない選手となっているように、ブンデス1部でプレーする日もそう遠くはないだろう。

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