Jリーグ 鹿島アントラーズ

C大阪にJ1優勝の力はあるか。王者鹿島との比較で見えてくる優勝争い

 順位表で1位につけてはいるものの、C大阪はまだ優勝本命となるには遠い。スターティングメンバーは強力だが、ベンチ入り選手の大部分が同じプレーレベルを維持することができない。さらに最も重要なことに、同チームは得点マシンをこの移籍期間中に失うリスクがある。ラ・リーガ(スペイン1部リーグ)のジローナFCが杉本の獲得に関心を示しているのだ。杉本は高身長(187cm)とテクニックを兼ね備えた選手であり、日本サッカー界においては珍しいタイプである。ユース時代から示してきたポテンシャルを24歳にしてついに全うしており、次の日本代表の招集においても有力な候補だ。シーズン途中に彼を失うことは、初めてのトロフィー獲得を主張するC大阪にとって致命的となる可能性が高い。

 反対に鹿島は、実際に大本命としての重みを担う。同チームは大きな試合にも常にタイトル争いを要求されるプレッシャーにもすでに慣れており、この目的のために多額の投資もしてきた。前半期には期待された結果を得られず、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇という今年最大の目標を失ったにもかかわらず、大岩剛監督の就任以来再び軌道に乗っている。リーグで最も完璧なチームの1つとして期待されるプレーを披露している。

 濃い霧が立ち込める中行われたベガルタ仙台戦で、鹿島は仙台の固まった守備陣突破に時間がかかるも、前半後半の各アディショナルタイムに1ゴールずつで試合を決めた。大岩監督就任後、8試合で7度目の勝利となった。鹿島は守備でも苦労することなく、90分間で相手に許したシュートは1度だけだ。合計7得点を挙げているチームのトップ得点者であり、完全回復は10月になると見込まれているペドロ・ジュニオールの不在も感じさせなかった。何と言っても、前線には金崎夢生がいる。仙台戦で得点を決めた土居聖真と鈴木優磨は言うまでもない。土居と鈴木は先発出場ではないことも多いが、プレー中は同じレベルを維持できる選手だ。期待の安部裕葵(18)も注目を集めており、ベンチから出てきてはチームの高い水準に達してきた。

 ミッドフィルダーでは、若手の三竿健斗がベテラン小笠原満男と組んで素晴らしいプレーをする間、大岩監督には贅沢にもレオ・シルバをベンチに座らせる余裕がある。やはり新監督のもとで劇的に好転したレアンドロも、中村充孝と遠藤康がうまく攻撃先導の役割を果たしている間には休んでいた。鹿島はC大阪より勝点1下回るが、終了した試合数も1試合少ない。最高のコンディションにあり、大岩監督下では負けなしの今、誰が彼らを止められるだろうか?鹿島の優勝資格を試す次の挑戦者は、ポドルスキが先導するハングリーなヴィッセル神戸である。

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