アジア Jリーグ

ポドルスキだけじゃない。Jに新風吹き込むニューフェイスたちが熱い

Jに新風吹き込むニューフェイスたち

著者:チアゴ・ボンテンポ
1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。

 Jリーグは夏期中断を経て、ついに後半戦に突入した。多くのチームが新契約を結んだり、より良い後半戦を望んで新風を吹かせている。当然にも大々的に注目が集まっているのはルーカス・ポドルスキだ。日本サッカー界におけるディエゴ・フォルラン以来のビッグネームである。この賢く好感の持てる選手はヴィッセル神戸の新しい背番号10となった。自身をプロモーションする力もあり、世界中で愛されている選手だ。ポドルスキはブラジルでさえも、まるでアイドルかのように特にスポーツに親しんでいない人々にまで知られている。なぜかご存知だろうか。2014FIFAワールドカップ開催中、彼は呑気なSNS記事を投稿して国中の評判になったのだ。

 ポルトガル語でスラングやハッシュタグを使用したり、ブラジルで最も支持されるクラブ、フラメンゴのファンになっていたような記事もあった。アウェイユニフォームがフラメンゴのものとそっくりだったドイツ代表チームは、準決勝で開催国のブラジルに屈辱を与えたにも関わらず、同国にポジティブな印象を残した。リオデジャネイロのクラブサポーターたちは未だにポルディ(ポドルスキの愛称)の契約を待ち望んでおり、今回アジア行きを決めた彼には幾分不満を抱いたようだ。

 ドイツのスーパースターは日本に来て、3年前のフォルラン以上の話題作りに成功した。華やかなお披露目式、ハリウッドスターさながらのレッドカーペット、クラブ代表と神戸牛堪能、楽天イーグルスのユニフォームで野球、キャプテン翼のキャラクターをあしらったスパイクの着用。フィールドの外でも努力を惜しまない。これはJリーグが必要としてきたことだ。リーグが成長し続けるためにはポドルスキのように、熱中するファン以外の注目を集めることができる選手がもっと出なければならない。そして最も大事なことは、同時にピッチでも期待に応えることである。

 少なくとも現スタート段階において、ポドルスキはこれを同時に行なっている。デビュー戦でワールドクラスの強烈なミドルシュートと正確なヘディングシュートで違いを見せ、神戸は大宮アルディージャに3-1で勝利した。彼は簡単にその週のベストパフォーマーとなった。このまま同選手が活躍を続ければ他のクラブにも影響を与え、より多くのビッグネームが日本に呼ばれるだろう。ワールドクラスの才能が集まることは、Jリーグが次のレベルに到達するために必要なことだ。しかしながら、新参者の中で良い印象を残しているのはポドルスキだけではない。

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