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本田欠場のパチューカ初戦。チーム敗北もスタジアムはホンダに湧く「すでに彼はインパクトを残している」【現地メキシコ人記者レポート】

試合欠場も本田に湧くメキシコ

著者:セザル・ヘルナンデス
メキシコ代表、メキシコリーグ、国外で活躍するメキシコ人選手の取材を得意とするフリーランスジャーナリスト。『ESPN』『FourFourTwo』『FutMexNation』『Soccer Nation』に寄稿している。

 日本代表FW本田圭佑がスタンドから観戦したパチューカの初戦は敗北に終わった。

 現地時間の23日、リーガMX(メキシコ1部)第1節がメキシコシティで行なわれ、パチューカはアウェイでプーマスと対戦。1-0と敗北を喫した。新加入の本田はスタンドから敗戦を観戦している。

 試合はパチューカが非常に高いポゼッションで試合を支配するものの、プーマスのGKアルフレッド・サルディバルからゴールを奪うことができなかった。

 しかしながら、パチューカは本田だけではなく、数人のキーマンがメンバーから外れている。現在開催中の2017 CONCACAFゴールドカップ参加中の選手たちや負傷中の選手、そして未だコンディション調整中の新加入選手がたくさんいる。プーマス戦に出場したパチューカの先発メンバーは「Bチーム」と表現しても大げさではないだろう。

 パチューカのディエゴ・アロンソ監督は主力抜きのプーマス戦も攻撃的な4−2−3−1を選択した。今後、本田が先発メンバーとして出場すれば、トップ下のビクトル・グスマンの替わりに起用されるだろう。日本代表スターのドリブルとパスはパチューカの力となるに違いない。

 この日グズマンは平均的なパフォーマンスを披露したが、積極的なドリブルはみせず何度もボールを奪われている。もし本田がプレーできれば、この試合は引き分けに終わったではないか。本田がプレーできなかったことは残念だが、試合をスタンドから観戦しながらノートを書く姿勢を評価したい。元ミランの本田は明らかに新天地のリーガMXに対して綿密な準備をしている。

 我々にとって最も気になるポイントは本田がいつ出場するかということだ。アロンソ監督は試合後のインタビューで、本田が筋肉に問題を抱えてメキシコに来たことを明らかにした。本田が完全に回復するまで3、4週間がかかるとみられている。

 本田はピッチにしばらく立てなくても、すでにメキシコサッカー界に大きなインパクトを残していることは間違いない。パチューカが公式Twitterにて日曜日にツイートした各地のキックオフ時間には日本も入っていた。

 また、プーマスの本拠地エスタディオ・オリンピコ・ウニベルシタリオに多くの日本人が来場したことも話題を呼んでいる。試合前後には本田がサインなど多くのファンサービスに応じたと報じられている。

 本田のパチューカデビューにはもう少々時間がかかるが、メキシコサッカーファンの注目が本田から離れることはないだろう。