Jリーグ 名古屋グランパス

J2は世界で最も“予想不可能”なリーグ。16チームが昇格を争う戦国時代に【J2リーグ前半戦レビュー】

J2は世界で最も“予想不可能”なリーグ

著者:チアゴ・ボンテンポ
1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。

 Jリーグは世界でも最もバランスの取れたリーグの1つである。よく観察している者なら疑いなくそう考えるだろう。ブラジル、アルゼンチン、メキシコのリーグに並ぶ世界屈指の競争の激しいリーグだ。

 日本では2部リーグであるJ2こそ競争が激しく、今年はその良い例が示されている。現在23節が終了しシーズンの中盤を過ぎたところだが、全22チーム中15もしくは16チームが未だ昇格を争っているのだ。どうしたらそのようになるのだろうか。順位表を詳しく見てみよう。

 現在15位のモンテディオ山形は、トップ6からの勝ち点差がわずか3点だ。この東北チームは素晴らしいサッカーをしていて、FW瀬沼優司の活躍もあり6戦5勝し、1ヶ月前には5位まで浮上した。しかし突然コンディションが崩れ、4連敗を喫すると順位を10位落としたのである。

 16位の京都サンガもまだ除外されるべきではない。プレーオフ圏からは6点の勝ち点差で、若手スターのFW岩崎悠人の他、DF田中マルクス闘莉王、FW小屋松知哉、FWケヴィン・オリスといった選手がいるからだ。

 17位のツエーゲン金沢から下のチームは、降格を免れること以外に望みはないだろう。とはいえ、金沢のプレースタイルはここにきて結果に繋がり始め、名古屋グランパス、横浜FC、アビスパ福岡など上位のクラブに勝利している。同様に20位のレノファ山口も、アルゼンチン出身のカルロス・アルベルト・マジョール監督と共に立ち直りをみせ、J2残留の可能性を大幅に増やした。

 絶望的なチームとしては、21位のカマタマーレ讃岐、22位のザスパクサツ群馬が降格圏で敗戦を重ねている。彼らはもう、今年降格のチームが1チームもしくは無くなるという可能性に賭けるしかない。J3の上位2チームに、J2ライセンス付与が完了しない可能性だ。現在J3で昇進できるクラブは、カターレ富山(2位)栃木SC(4位)長野パルセイロ(6位)ギラヴァンツ北九州(8位)ガイナーレ鳥取(14位)のみである。これらのチームの現在順位からは、その可能性も現実的と言えるだろう。

Previous
ページ 1 / 3