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本田のパチューカ移籍を現地メキシコ人記者が徹底解説。起用法、プレースタイル、報道、ファンの期待度【TRIBE SCOUT】

本田圭佑の起用法は

本田圭佑の起用法(4-2-3-1)

本田圭佑の起用法(4-3-3)

 メキシコリーグは1シーズンが2ステージに別れるため、多くのクラブは短期決戦を制すため攻撃的なチーム構築を目指す。パチューカもハイプレッシングを備えた4-2-3-1もしくは4-3-3の布陣を採用する。本田は攻撃のキーマンとなるはずだ。

 本田とともにピッチに立つのは国内の若手選手と外国人のベテラン選手によって調和されたチームだ。中盤で本田と連動することになるのはメキシコ代表MFエリック・グティエレスとなるだろう。現在22歳の新星は本田の隣で起用される可能性が高い。また、同じくメキシコ人であるのDFラウル・ロペスは精度の高いクロスやオーバーラップで本田をサポートするだろう。また、パチューカは「リーグ最高のセンターバックコンビ」と評されるアメリカ人のオマール・ゴンザレスとコロンビア人のオスカル・ムリージョを擁している。

 アタッカーでは新加入のチリ代表FWエドソン・プッチの活躍が期待され、本田のアシストからゴールを量産するだろう。同選手が波に乗れば、彼のドリブルやシュートを防げるディフェンダーはメキシコには多くいないはずだ。

成功の鍵となるのは…

 ポイントは前述した通りメキシコリーグは2ステージ制であるために多くのクラブが攻撃的なサッカーを展開することだ。本田はJリーグで2ステージ制を経験したとはいえ、その後ヨーロッパで“長いシーズン”に慣れている。つまり、今回メキシコではプレーオフまでのわずか17試合の間にチームのサッカーに適応するという挑戦を求められるのだ。メキシコサッカーはテクニカルでハイペースだが、球際やドリブルの強さが評価される本田は問題なく活躍できるだろう。

 最も重要なことは、サッカーではなくメキシコのライフスタイルに適応することだろう。本田はスペイン語を流暢に操れるようにはみえない。また、パチューカ市はメキシコシティやグアダラハラと異なり、人口わずか28万人に満たない小都市だ。ロサンゼルス・ギャラクシーでプレーした経験を持つオマール・ゴンザレスは、パチューカを「小さな静かな街」と表現している。

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