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今季J1の“台風の目”。柏は黄金時代の残響を超えられるか【J1前半戦総括】

小池は成功を収めるには何が必要かを知っている

柏レイソルの小池龍太 写真提供:Getty Images

 小池は成功を収めるには何が必要かを知っている。2014年日本フットボールリーグ(JFL)のレノファ山口でプロデビューして以来、シーズン毎にディビジョンをステップアップさせてきた選手だ。山口の立て続けの昇格への貢献後、今シーズンに先立って柏に移籍した。22歳の同選手は、J1チャンピオンになるという次の目標に向かって一歩一歩踏み込んでいる。

「僕たちは、鹿島戦とC大阪戦(7月8日)が重要だという意識を持ってきました。選手としては今シーズンの勝ち点70を目標にしてきました。この負けは痛手ですが、現時点でシーズンの半分ということで、まだタイトルが視野にあります。どのような展開になるか、なんとか目標を達成する道をまだ模索することができるのか、次の結果も重要です」

 現在、柏の勝ち点は34だ。鹿島との差は2点、C大阪からはわずか1点である。今年が柏にとっての当たり年となることも大いに楽観視できるだろう。そうなれば、2010年から2013年にあらゆる国内トロフィーを獲得したネルシーニョ・バプティスタ監督時代の残響を超えるに違いない。

 GK中村は同試合で相手の最初の2ゴールの際にミスをしたが、それ以外の点ではポスト間の確固とした存在を示してきた。柏を去った菅野孝憲の後継者として充分以上の能力がある。一方、DF小池とFW伊東純也のワイドなコンビネーションは、6年前に右サイドバックの酒井宏樹によって作られた躍進的な攻撃を度々思い起こさせる。

 スタイルはかなり異なるが、当時酒井とコンビであったレアンドロ・ドミンゲスと比較できるのがクリスティアーノ・ダ・シウバだ。どちらもブラジル出身のトップレベルの攻撃選手で、個人技で自ら試合を決めることができる。

 さらに地元出身の32歳のキャプテン大谷秀和は未だミッドフィールドのまとめ役として活躍し、彼の11歳年下である若きチームプロダクト手塚康平と組んでいる。他にも中谷進之介(21)中山雄太(20)といった柏育ちの若い選手がおり、センターバックの2点を占めて良い効果となっている。

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