Jリーグ サンフレッチェ広島

サイクルの終わりを迎える浦和と広島。崖っぷち同士の対決の行方は

サイクルの終わりを迎える浦和と広島

著者:チアゴ・ボンテンポ

 2012年1月、森保一監督とミハイロ・ペトロビッチ監督が、それぞれサンフレッチェ広島と浦和レッズに就任した。以来、両クラブはタイトル獲得争いを繰り広げてきたが、現在はかなり長期に渡っての最悪の危機に直面している。

 現在17位の広島は、本拠地エディオンスタジアム広島で同じ下位仲間である大宮アルディージャに3-0で敗れた。最も楽観的な大宮サポーターでさえ全く期待していなかったスコアだ。

 一方、佐賀県のベストアメニティスタジアムでは浦和がサガン鳥栖に敗れて3連敗を喫し9位に転落した。ペトロヴィッチ監督就任以降、シーズンのこの時点における最悪の順位となった。ここ数年の浦和は、第16節以降は常に3位以上につけている。

 広島はまたしても同じ過ちを犯している。今節、広島は21本と川崎フロンターレと同じく最もシュートを放ったチームとなった。しかし、ボールは頑なにゴールに入ることを許されなかった。さらには、唯一の守備陣のミスも大宮陣に見逃されることはなかった。広島のDF野上結貴のパスミスを大宮のMF茨田陽生が拾うと、素早く大宮FW江坂任に繋がり低いシュートがファーサイドに放たれた。GK林卓人がセーブできた可能性もあるシュートだったが、ボールはネット奥に吸い込まれて終わった。

 シュートを決めた江坂は大宮の最近の復活の象徴だ。渋谷洋樹監督が解任となり伊藤彰監督が引き継いでから、大宮は3試合で勝点を2しか落としていない。同試合ではロスタイムに相手の捨て身を利用してさらに2ゴールを決め、今年初めて降格圏を脱して広島を危機にさらした。広島は本拠地エディオンスタジアムにおける9試合でまだ勝ちがなく(勝数0、引分数5、敗数4)クラブ史上最悪の負の並びとなっている。これがサイクルの終わりとなるのだろうか。

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