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Cロナウドがレアル退団を熱望する理由。税金ではない“真の問題”

C・ロナウドがレアル退団を熱望する理由

 クリスティアーノ・ロナウドは何としてでもレアル・マドリードを退団したいと思っているようだ。

 マドリードはジネディーヌ・ジダン監督のおかげで完璧な融合を遂げ、ヨーロッパ内でベストとも称されるスターティングメンバーを持ち合わせたチームとなっている。それはC・ロナウド自身にとっても、“白い巨人”に移籍してからの8年間で最高のチームメイトとプレーすることができていることを意味する。イスコ、ルカ・モドリッチ、トニ・クロース、(少々不安定な部分もあるが)ガレス・ベイル、そして、マドリード期待の新星マルコ・アセンシオといった選手とともにプレーすることができるのだ。

 C・ロナウドは常に多くの“銀河系”と呼ばれる選手たちとプレーしてきたが、決して素晴らしいチームとは言えなかった。今回、やっとの思いで、チャンピオンズリーグ連覇とリーガ優勝を成し遂げたチームの一員となれたのである。次は、全てのタイトルを勝ち取ることもできるかもしれない。とりわけ、マドリードがダビド・デ・ヘアさえ獲得することができれば、間違いなくさらに強力なチームとなるだろう。一方で、仮にC・ロナウドが退団となった場合、移籍先がどこのクラブであってもマドリードにとってはマイナスにしかならないだろう。

 一見全く理解ができないC・ロナウドのマドリード退団希望だが、様々な状況を注意深く眺めていくことでその理由も理解できる。まず第一に、今回の移籍市場が退団を考える上でのベストなタイミングであるということだ。過去にマドリードでプレーしたラウール・ゴンサレス、イケル・カシージャス、ペペといった偉大な選手たちが退団時期を逃し、キャリア終盤で追い出されるようにクラブを退団する姿も目の当たりにしてきた。それだけに現在33歳となりスピードに衰えが見え始めたC・ロナウドは、リーガとCLの2冠を達成しキャリア絶頂ともいえる今が移籍するには良いタイミングだと考えるのだろう。

 別の問題が税金である。報道によるとC・ロナウドは1,470万ユーロ(約18億円)の税金を支払わなければならないとされている。彼にとって、おそらくこれがマドリードとの関係をつなぐ“最後の望み“ともいえる。C・ロナウドはマドリードがこの税金問題の解決を手助けしてくれると考えているようだが、それはあまりに都合の良い言い訳かもしれない。C・ロナウドは年収8,300万ユーロ(約102億円)であり、世界スポーツ選手の長者番付でも1位となっている。いわば、2ヶ月もしないうちに税金を支払うことなど可能なのである。

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