ラ・リーガ プレミアリーグ

アザールはレアルに移籍すべきか。今夏最大のビッグディールは“プレミアの魅力”問うテーマに

アザールはレアル・マドリードに移籍するべきか?

著者:ニール・ハンフリーズ

 チェルシーは金額に関わらず、エデン・アザールのレアル・マドリード移籍の件で頭がいっぱいなようだ。移籍金は約9000万ポンド(約125億円)にもなるとされている。それが世界最高額の1億ポンド(約140億円)になるか、ならないかということは重要ではなく、アザールはスタンフォード・ブリッジに残るべきだろう。

 まず第一にチャンピオンズリーグ(CL)を本気で勝ち取りに行く姿勢を見せつけるためには、アザールを移籍させる余裕などない。ロシア人オーナーのロマン・アブラモビッチ氏はプレミアリーグを勝ち取るためだけに大規模な投資をした訳ではないのだ。国内リーグ優勝は彼を喜ばせただろうが、彼が最優先としているのは常にCL優勝である。彼がチェルシーでその座に輝いたのは、たった1度だけであり、それは彼の野心を満たすには不十分である。来季CLを勝ち取るためにアザールを残留させることがオーナーの希望でもある。

 現在アザールは右足首を骨折してしまっている。しかし、負傷は乗り越えられるものであるし、大きな問題とはならない。チェルシー、とりわけアントニオ・コンテ監督は昨シーズン36試合出場15得点でチームの攻撃の核となった選手を移籍させる余裕などないだろう。エンゴロ・カンテのそばでアザールは昨季シーズンを通して安定した活躍をみせている。プレミアリーグで最も創造性豊かな選手でありヨーロッパの最優秀選手のひとりだと言えるだろう。

 チェルシーには他のポジションを補強ポイントと考えていることもあり、アザールを残留させたいと思っている。仮にジエゴ・コスタが高額で中国へ移籍しなかったとしても、パフォーマンスが不安定なこともあり残留の可能性は低いとされている。チェルシーは、D・コスタの代役、もしくはサポートできるストライカーの獲得が必須だ。

 別の問題はアタッキングサードである。アザールほど安定した活躍を見せる選手は存在しない。ペドロはシーズン後半に非常に良い活躍を見せたが、それでも安定していたとは言い難い。ウィリアンも未だに不安定なパフォーマンスであり、アザールほど信頼のおける選手にはなれていない。ネマニャ・マティッチさえも以前ほどの安定感が消えてしまっている。1人、もしくは2人のクリエイティブな選手と、可能であれば、別のストライカーも必要だ。

 先発メンバーを考えると、コンテ監督が補強すべきポジションはあと2つか、3つある。仮にアザールの移籍金が1億ポンドに跳ね上がったとしても、チームのベストプレーヤーである同選手を移籍させる余裕などない。来シーズンのCLを本気で戦い抜くためには、アザールが仮に1億ポンドで移籍したとしても、その額ではアザールと他の2つか、3つのポジションを補強するためには十分な額ではないからだ。






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