アジア セリエA

“快適な状況”から抜け出す。U-20日本代表がイングランドから学ぶべき競争心

著者: ショーン・キャロル

現在、韓国で開催されているFIFA U-20ワールドカップ。日本代表の選手たちが学ぶべき重要な教訓は、プレッシャーの恩恵を受ける方法に向き合い、克服し、結果を出すことだろう。

 内山篤監督率いるU-20日本代表は、最初に南アフリカに勝利すると、ウルグアイに2-0で敗れたものの、イタリアと2-2で引き分け。最終的には勝点4を挙げて決勝トーナメントへの進出を決めた。30日(火)に大田ワールドカップ競技場にてベネズエラと対戦する。

 ここまで選手たちは、ひとたび波に乗るまでに、または失うものがないとなるまでに、試合立ち上がりの攻防でリズムを見つけることに苦労。あらゆるエラーが痛手となることに奮闘してきた。

 27日(土)に天安総合運動場で行われたイタリア戦を2-2で引き分けた後、冨安健洋は「2-0になってしまったので、もうやるしかない状況になりました」と話した。

「2失点したから失うものがないという状況に陥る前に、0-0の状況から自分たちは最初からチャレンジャーとして失うものは何もないというメンタリティで臨むことができれば、もっともっといい試合ができるんじゃないかと思っています」

 世界の最高選手たちと戦うために、自身をプレッシャーに慣れさせる唯一の方法は、できるだけ頻繁に自身をその状況下に置くことだ。多くの日本人選手があまりにも快適な状況にいると感じている。

 例えば、今大会の21人の日本代表をイングランドからの相手選手と比べてみよう。

  日本代表選手の大部分が、Jリーグのクラブの秩序ある階層構造の中で、スターティングメンバーなりバックアップメンバーなりの役割に落ち着いている。一方でイングランドの選手たちは、過去プレミアリーグ優勝チームにおける世界クラスの選手を抜こうと奮闘し、または下部リーグクラブに送り出されて自分の価値を証明しようするなど、日々競い合っている。

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